過密な春季公式戦の日程を消化して、大会前の調整合宿に集合した選手たちは、疲労と怪我を抱え、初日のトレーニングでは6人が別メニューで調整するといったチーム状態であった。大会初戦であるグアム代表との一戦は、準決勝進出のために100パーセント勝たなければならない相手だが、同時にゲームから遠ざかっていた選手のコンディション把握や怪我人の回復状況にも配慮したメンバー構成で試合に臨んだ。
チーム力で圧倒的優位に立つ日本は、ボランチ堀之内を中心にボールを常に支配し、左右のオープンスペースを有効に使った攻撃から度々グアムゴールへ迫った。
先制点は前半18分、左MFの羽生が右オープンスペースへ30メートル近い距離を走りこみ、相手DFを完全にかく乱して、ゴール前へクロスボールを送り、これをFW松浦が正面から難なく決めた。この1点で落ち着いた日本は、続く28分、FKからすばやく展開し、ゴール正面から藤田が豪快にミドルシュートを蹴り込み対0とリードして終了した。
後半も開始3分、FKのこぼれ球をFW関根がゴール右隅へクリーンシュートして決定的な3点目を挙げた。その後も日本チームは攻撃の手を緩めず、PKによる2点を加え、72分には途中出場した酒井の左サイドドリブル突破からのクロスボールに関根が頭できれいに合わせ、6点目をゲットした。結局シュート数30対0の数字が示す通りの圧勝だったが、両サイドからのクロスボールに対するゴール前のツメ方やシュートの正確性などに課題を残す内容であった。
文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)
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