■オーストラリア代表 アンゲロス・ポステコス 監督
日本については若干知っていることもあったので少しは研究していたが、大切なのは(選手が)試合に集中すること。我々は6月のアルゼンチン(ワールドユース選手権)が本番だと思っているので、戦術などは大きく変えずに挑んだ。ただ、日本は速いプレーをしてくるチームだということがわかっていたので、そのスピードを止めるようにと選手には伝えていた。
試合に勝ったことはうれしいが、プレーそのものには満足していない。特に前半、立ち上がりのプレーにはまったく納得していない。ただ、後半に関してはいいプレーができていたと思う。
■日本代表 瀧井敏郎 監督
今日の対戦相手のオーストラリアは、U-17世界選手権準優勝チームのメンバーもいて非常にいいチームだとはわかっていたが、試合の出だしから、無理をせずに引き分けか、カウンターで点を狙うというアウェーでの戦い方が徹底されていて、我々はそれにまんまとのせられてしまった。日本はボールを奪ってからの展開が課題だったが、それができなかったし、狙っていたことが機能しなかった。
交代に関しての意図は、まずFWの関根がケガあがりで、なんとか(試合に)使いながら復帰させたいと思っていたのだが、ちょっとしんどいようだったので太田に代えた。また、太田自身もケガをしていて半分くらいならなんとか、という状況だった。石川と藤田の交代に関しては、試合に負けていたし、石川のセットプレーと精度の高いクロスを期待して交代した。ボランチの堀之内については、デンソーカップでケガをした関係で体力的な問題があり、疲労が見えてきたのとオーストラリアのプレーに対応しきれていないと感じたので吉村に交代した。大柄なオーストラリアのな選手へは、ロングパスとクロスを上げさせないよう、素早いアプローチで対応するよう指示した。日本は小さな選手が多いが、小さくても身体を相手に預けてアプローチすることで対応できると思う。ただ、失点シーンなどはそうしたアプローチ不足から生まれたし、まだ100パーセントできているというわけではない。
後半、攻めていた時間はあったのだが、(攻撃陣に)どういうフィニッシュを迎えるのかということが徹底されていなかったし。また、我々がしようとしているサッカーのポイントが少しずつズレていたのだと思う。深井のドリブル突破などもあったが、チーム全体が深井のスピードを活かすイメージが考えなければならないと思う。こうした大会は、ずっとピークでいられるわけではないので、切り替えて次の試合に挑みたい。
■日本代表 平川忠亮 選手
苦戦するだろうということは最初からわかっていたし、後半は日本のほうが押していたので、内容的には悪くなかったと思う。この大会はメダルが最終目標なので、次に向けてのいいステップになった。オーストラリアは4番の選手がロングボールを蹴ってくるので、それだけが怖かったが、後半はそのあたりもきっちりできた。攻撃には関しては、右は自分と藤田、左は羽生と三上といった形でサイドを攻撃の起点にして行こうと思っているので、(意図的に)あがるようにしている。基本的に強い相手とやるのが好きなので、準決勝の相手は(韓国とカザフスタンの)どちらでもいい。
■日本代表 深井正樹 選手
今日は、とにかくゴールチャンスに決めきれなかったのが敗因。自分自身、チャンスをモノにできず不甲斐なく思う。日本は、オーストラリアに比べるとチームの完成度が低かった。守備のほうに共通理解はあるが、攻撃になったときのボールの動かし方がよくない。高い位置でボールを奪えないと攻撃ができないし、攻撃自体行き当たりばったりだった。たくさんチャンスがあったのに、そこを活かしきれなかったということが、僕自身にとってもチームにとっても一番の課題だと思う。
Text/Photo:Reiko Iijima