永遠のライバル。そして前回大会優勝の韓国との準決勝は、120分間の壮絶な戦いとなった。ほぼベストメンバーでスタートした日本は、鋭い出足からのアプローチで先手を取り、ツートップの大田の高さ、深井のスピードに加え、羽生、山根の運動量豊富な動きで序盤のゲームを優勢に進めた。そして前半14分には、中盤のプレスで奪ったボールを堀之内が韓国ディフェンスラインの背後へ素早く送り、前線の太田がこれに反応して走り込んだ。この動きに対して、慌てた韓国DFがファールで太田を倒し、ペナルティエリア正面の好位置でFKを得た。キッカー山根のボールは美しいカーブを描いて韓国ゴールに吸い込まれ、日本が前半で早くも貴重な先制点を奪った。
しかし、後半に入ると韓国は攻撃に転じ、長身の大型FWを3〜4人最前線に配置し、ロングボールを多用するパワーサッカーで日本ゴールに一気に迫ってきた。後半、暑さでスタミナ切れした日本は、ボールへの寄せが甘くなり、ゴール前へのクロスボールを自由に蹴り込まれ、防戦一方の展開となった。GK高原の好守もあって何とか試合終了間際まで粘った日本だったが、後半44分、ついに左サイドからのクロスボールに後半から途中出場した(10)イ・ジョンスが気迫溢れるダイビングヘッドで合わせ、韓国が同点に追いついた。
延長戦に入ってからも韓国の猛攻が続き、日本はピンチの連続だった。何とか守り抜き、同点のままPK戦に突入。お互いに1番手が外したが、韓国の4人目(15)ファン・サンピルのキックをGK高原が超ファインセーブで防ぎ、結局4−3で勝ち、大苦戦の末に悲願の決勝戦進出を果たした。
結果として勝負には勝ったが、後半のスタミナ切れでボールへの寄せやDFラインの押し上げがなくなってしまった点が大きな反省点として指摘される試合だった。
文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)
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