立ち上がりのビッグチャンスのあと、ミスが多くリズムに乗り切れなかった日本は、前半14分(11)深井が目の覚めるようなミドルシュートを決めて先制して波に乗り、“プレッシング・サッカー”で勝負するというゲームプランどおりの展開でゲームを支配した。25分から35分までの間に個人のスペシャリティを生かして、数回の決定機を作り出すも得点には至らなかった。
日本は(10)山根、(8)藤田の両サイドMFが前線からよくプレッシャーをかけ、(3)小林を中心としたDFラインをコンパクトに保ち、鋭くボールを奪う展開、および初先発の(13)巻が期待にこたえてチェコDF陣の高さに負けずターゲットマンとしての機能を果たすとともに、シャープな深井の動きが連動して、暑さに負けたかのようなチェコを圧倒し、ゲームを優位に進めた。
チェコは負傷の(2)Ruzickaに交代して小柄なテクニシャン(14)Viskupを投入。前半終盤には日本の自陣での不用意な反則によるFKからチャンスをつくった。
後半に入るとその流れのまま一気にチェコは攻勢に出てきた。その中で日本は(11)深井の一発に頼る苦しい展開を強いられ、後半23分、ついに同点に追いつかれた。
その後チェコは勢いに乗って強引な突破で日本に迫るが、日本はキャプテン(2)平川を中心にまとまり直し、エース(11)深井が負傷退場して10人で戦わざるを得なかったロスタイムに、(10)山根から(7)羽生へのロングパスが見事に決まりGKとの1対1からシュートを放つ。一旦はポストに弾かれたボールを羽生が自ら決めて激戦を制した。試合終了直前の劇的な決勝ゴールで初戦を白星で飾った日本チームは最高のスタートを切った。
文責・須佐 徹太郎(全日本大学連盟技術委員)
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