ミレニアムスーパーサッカーカップ2001
College Soccer Central


予選リーグ 試合結果詳細 (日本のみ)



■第1戦■

 2001年1月10日(水)15:00 於:カルカッタ・ソルトレークスタジアム 観衆:15000人


 ☆全日本大学選抜 2(1−0)0 ウズベキスタン
           (1−0)
   得点者)44分【全日本】太田恵介
       79分【全日本】堀之内聖 (アシスト・平川忠亮)

 出場メンバー (日本側のみ)


   GK:高原寿康
   DF:小林宏之、千代反田充、平川忠亮、三上卓哉
   MF:堀之内聖、羽生直剛(→46分 酒井 潤→55分 藤田芳正)
      山根伸泉、吉村圭司
   FW:深井正樹、太田恵介(→80分 関根秀輝)

 【サブ】
   GK:杉山 哲
   DF:藤倉 寛
   MF:藤田芳正、酒井 潤、鈴木崇徳
   FW:関根秀輝、斉藤 剛

 戦評


ウズベキスタン戦システム  大会初戦の相手ウズベキスタン代表は、国内スーパーリーグ(プロ)に出場している選手で、シドニー五輪代表選手に若手を数名ミックスしたメンバー構成であった。
 現地での2日間のトレーニングにより、日本優位の試合が出来るメンバーだと判断し、積極的・攻撃的姿勢で試合に臨むよう指示した。日本チームは4-4-2のシステムで、中盤をコンパクトに保ち、プレッシングスタイルのゲームで試合開始早々から主導権を握った。長身のFW太田へのロングボール、俊足で小気味よいドリブル突破を得意とする深井へのくさびと中盤・守備ラインの一体となった押し上げにより、分厚い攻撃でウズベキスタンゴールへ何度も迫った。しかしラストパスの精度を欠き、攻め込みながら得点に至らなかった。無得点のまま後半突入かと思われた44分、深井の鋭いドリブル突破からシュート、これがバーに当たって跳ね返ったところを太田が冷静にボレーで右隅へ押し込み、最高の時間帯に先制し優位に立った。
 後半開始から羽生に替えて酒井を投入したが、うまくリズムに乗れず、逆にウズベキスタンの思い切りの良い攻撃を受け、後半2分にはGK高原が1対1の決定的なピンチを体を張ってしのぎ、やや相手ペースに傾いた。しかしその後は冷静さを取り戻し、中盤の安定した守りから平川、三上の両SBの攻撃参加も増え、完全な日本ペースの試合となった。そして後半42分、相手ゴールエリア付近で得た間接フリーキックを平川が強烈なシュート、ゴール前の堀之内がうまく押し込んで2対0とリードし、勝利を決定的なものにした。今夏のユニバーシアード大会を目指して強化中の大学選抜チームにとっては、昨年のトゥーロン大会から通算4試合目を初白星で飾り、チームの士気は大いに高まっている。想像以上の劣悪な環境下ではあるが、全員がよくまとまり団結して戦っている。予選リーグ突破を目指し、第2戦の強豪チリとの一戦が楽しみである。

文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)

■第2戦■

 2001年1月13日(土)19:00 於:カルカッタ・ソルトレークスタジアム 観衆:30000人


  全日本大学選抜 0(0−1)1 チリ☆
           (0−0)
   得点者)34分【チ リ】タピア

 出場メンバー (日本側のみ)


   GK:高原寿康
   DF:小林宏之、千代反田充、平川忠亮、三上卓哉(→85分 関根秀輝)
   MF:堀之内聖、羽生直剛(→70分 酒井 潤)、山根伸泉、
      吉村圭司(→35分 藤田芳正)
   FW 深井正樹、太田恵介

 【サブ】
   GK:杉山 哲
   DF:藤倉 寛、岩政大樹
   MF:藤田芳正、酒井 潤
   FW:関根秀輝、斉藤 剛

 戦評


チリ戦システム  第2戦の相手チリ代表は、1998ワールドカップ出場2人、2000シドニー五輪銅メダルメンバー9人を揃える準A代表クラスのメンバー構成であった。A代表監督アコスタがチームを率い、今大会出場チーム中、優勝候補の筆頭に挙げられている強豪である。一方、初戦ウズベキスタン戦を2対0の完勝で最高のスタートを切った全日本大学選抜チームは、けが人もなく、ワールドクラスの相手に一泡吹かせる意気込みでチームは熱く燃えていた。個人技のあるチリの突破を出させないために、ディフェンス時の鋭いアプローチと粘り強い1対1の対応から、意図的で組織的なプレッシングサッカーをテーマに試合に臨んだ。
 試合開始から、日本チームの鋭い出足からのアプローチにチリも戸惑い、思うような展開が出来ず、中盤での守備と最終ラインの組織的なラインコントロールで、日本は相手との実力差を感じさせない程の積極的なゲームを展開した。しかし、前半30分過ぎから素早い球出しと日本DFラインの背後をつくスルーパスで徐々にペースをつかんだチリは、34分、左サイドからのクロスボールの折り返しに鋭く反応したタピア(ペルージャ所属FW)がゴール前で完璧なボールコントロールからのボレーシュートを決め先制した。日本も気落ちすることなく、その後の攻撃を冷静に対処し1点差のまま後半戦に突入した。
 後半開始から日本は山根を攻撃的なポジションに上げ、前線で起点を作り、特に右サイド藤田、平川の突破力を生かすパターンから同点のチャンスを狙う布陣に変更した。後半のスタミナを心配したが、全員が闘う姿勢を貫き、世界の強豪に必死に喰らいついた。後半25分、太田が強引なドリブル突破でチャンスを作り、深井がこぼれ球をシュートしたが、惜しくも味方羽生の体に当たって枠を外れ、絶好の同点機を逃した。結局前半の1点に泣き、敗れはしたが善戦し、多くの経験と自信をつかむ内容の試合が出来た。選手達の健闘ぶりに大観衆からも大きな拍手がスタジアム中に沸き起こった。

文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)

■第3戦■

 2001年1月17日(水)19:00 於:カルカッタ・ソルトレークスタジアム 観衆:20000人


 ☆全日本大学選抜 2(1−0)0 バーレーン
           (1−0)
   得点者)35分【全日本】太田恵介
       89分【全日本】関根秀輝 (アシスト・山根伸泉)

 出場メンバー (日本側のみ)


   GK:高原寿康
   DF:小林宏之、千代反田充、平川忠亮、三上卓哉
   MF:堀之内聖、羽生直剛、山根伸泉、藤田芳正(→67分 吉村圭司)
   FW:深井正樹(→80分 関根秀輝)、太田恵介(→88分 斉藤 剛)

【サブ】
   GK 杉山 哲
   DF 藤倉 寛、岩政大樹
   MF 酒井 潤、吉村圭司
   FW 関根秀輝、斉藤 剛

 戦評


バーレーン戦システム  この日、第1試合でチリがウズベキスタンを2対0で下し、3戦全勝のグループ1位で決勝トーナメント進出を決めた。日本にとっては最低でも引き分けで予選リーグ突破という有利な状況で試合は始まった。ドイツ人コーチの指揮で戦うバーレーンは、第2戦までの3バックから5バック気味の守備的な布陣に変更して自陣のスペースを埋め、日本のFW深井、太田に対して激しいボディーコンタクトで対応してきた。
 一方、日本チームは第2戦後半の布陣で、山根を司令塔として攻撃的MFのポジションに置いて左右両サイドのスペースをつき、ゴール前の太田、深井へのクロスボールから得点を狙った。
 ゲームは、バーレーンの変則的な戦い方と激しいボディーコンタクトに戸惑う日本が効果的な攻め手を見い出せないまま進み、時折見せるバーレーンのカウンターアタックと思い切りの良いミドルシュートに冷や汗をかくシーンが続いた。いやなムードが漂い始めた35分、左サイドのスローインから深井、山根と短くつないで、山根がうまく第2列から抜け出してシュート。相手GKの弾いたところを太田が左足で冷静に詰め、待望の先制点を日本が挙げた。これで優位に立った日本は、落ち着いてゲームをコントロールすることができた。
 後半はバーレーンのスタミナが切れ、前半ほどの勢いのある攻撃は見られなくなった。しかし、日本もマイボールの展開やサイドからの攻撃が機能せず、1対0のままゲーム終盤に入った。何とか同点に追いつきたいバーレーンは後半30分過ぎからロングボールを日本DFラインの背後に蹴り込み、こぼれ球を拾う形から反撃に出てきた。日本DFのミスからGK高原が1対1となる場面もあったが、ファインセーブでピンチをしのいだ。やや疲れの見える深井に交代して出場した関根が、終了間際の89分、山根からのラストパスをクリーンシュートで決め、粘るバーレーンを突き放した。苦しい試合展開ではあったが我慢強く戦い、数少ないチャンスを確実にものにした集中力と(10)山根の運動量と機を見て敏なるしたたかな戦術眼が光る戦いだった。チリには敗れたものの、2勝しての堂々の決勝トーナメント出場で勢いに乗る全日本大学選抜チームは、一致団結し素晴らしい戦いを続けており、上位進出も夢ではない。

文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)

決勝トーナメント結果詳細

College Soccer Central 全国大会・国際試合 ミレニアムスーパーサッカーカップ2001