大会初戦の相手ウズベキスタン代表は、国内スーパーリーグ(プロ)に出場している選手で、シドニー五輪代表選手に若手を数名ミックスしたメンバー構成であった。
現地での2日間のトレーニングにより、日本優位の試合が出来るメンバーだと判断し、積極的・攻撃的姿勢で試合に臨むよう指示した。日本チームは4-4-2のシステムで、中盤をコンパクトに保ち、プレッシングスタイルのゲームで試合開始早々から主導権を握った。長身のFW太田へのロングボール、俊足で小気味よいドリブル突破を得意とする深井へのくさびと中盤・守備ラインの一体となった押し上げにより、分厚い攻撃でウズベキスタンゴールへ何度も迫った。しかしラストパスの精度を欠き、攻め込みながら得点に至らなかった。無得点のまま後半突入かと思われた44分、深井の鋭いドリブル突破からシュート、これがバーに当たって跳ね返ったところを太田が冷静にボレーで右隅へ押し込み、最高の時間帯に先制し優位に立った。
後半開始から羽生に替えて酒井を投入したが、うまくリズムに乗れず、逆にウズベキスタンの思い切りの良い攻撃を受け、後半2分にはGK高原が1対1の決定的なピンチを体を張ってしのぎ、やや相手ペースに傾いた。しかしその後は冷静さを取り戻し、中盤の安定した守りから平川、三上の両SBの攻撃参加も増え、完全な日本ペースの試合となった。そして後半42分、相手ゴールエリア付近で得た間接フリーキックを平川が強烈なシュート、ゴール前の堀之内がうまく押し込んで2対0とリードし、勝利を決定的なものにした。今夏のユニバーシアード大会を目指して強化中の大学選抜チームにとっては、昨年のトゥーロン大会から通算4試合目を初白星で飾り、チームの士気は大いに高まっている。想像以上の劣悪な環境下ではあるが、全員がよくまとまり団結して戦っている。予選リーグ突破を目指し、第2戦の強豪チリとの一戦が楽しみである。
文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)
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