2003年 第22回ユニバーシアード・大邱(韓国)大会
College Soccer Central


ユニバーシアード日本代表チーム・取材裏話



チームのムードメーカーは?
前田
チームのお笑い担当? 前田選手
 今回のユニバチームはキャプテン岩政を始め、戸川、塩田など積極的にチームをバックアップする人材には事欠かなかったが、一方で“明るく”チームを盛り上げるムードメーカーにも不足しなかった模様。チーム内某スタッフによると「やはり関西系、橋田、前田、江添あたりが明るいですね」とのことだが、なかでもパフォーマンス込みで秀でて(!?)いたのが前田雅文選手。「オレ的には、チームのムードメーカーは前田」(松園孝太選手)とのチームメートのお墨付き通り、優勝後の記念撮影大会でも、ご覧のようなパフォーマンスを披露していました。

キャプテンの名は?
岩政1
背中の文字は“IWASAMA”……ではありません!
 決勝戦でのこと。選手入場に先立ち、いつものようにスターティングメンバーの名前が場内にアナウンスされました。GK塩田から始まり、DF村山、戸川と続き、次はキャプテンの岩政。しかし場内に鳴り響いたのは「ナンバーファイブ、イワサマタイキ!」 ……って、いったい誰?

見せどころは試合中……じゃないの?
岩政2
みんなに背を向けテレビカメラにアピール!
 表彰式終了後、記念撮影を終えたチームは監督の胴上げ準備に入りました。当然、その姿を撮ろうとメディアも一斉に移動を始めます。自分たちの方向に向かってくるメディアの中に、めざとくテレビカメラを見つけた岩政選手と戸川選手。「おい、ここが見せ所だ!」と言うやいなやテレビカメラに近づき、ピースサインを何度も何度も繰り出していました。キミたちの見せ所は、オフ・ザ・ピッチ?

モテモテくんは誰?
江添
文句なしの人気No.1、江添選手
田代
表彰式で日の丸小旗をもらった田代選手
 韓国でも多くの人の声援を受けたユニバチーム。なかでも、大会期間中圧倒的な人気を誇ったのがDFの江添建次郎選手。特に若い女性に大変な人気で、試合が終わればスタンドから江添コールが上がり、練習後といわず試合後といわずボランティアの人たちにに記念写真とサインをねだられまくる毎日。「選手村でも江添の人気はスゴイ」(チーム内某スタッフ)と、どこへ行っても江添人気は衰えを知りません。当然、決勝後もボランティアやファンに囲まれてバスに乗るのは一番最後です。そしてファンから解放され、いざバスに乗り込もうとした瞬間、なんと感極まったファンが江添選手にダイブ! ……ヘタなアイドルも真っ青の人気ぶり。まさにユニバ代表の“モテモテくん”です。
 一方、男女ともに人気の高かったのは田代有三選手。どの会場に行っても、必ず試合後にはスタンドから熱い声援を受けていました。江添選手と並んでファンやボランティアの方との記念撮影の要望が多かったのも、この田代選手です。そんな、人を選ばない人気を反映してか、表彰式のときに思いもかけず日の丸の小旗をもらってびっくり。メダルとともに、最後まで小さな日の丸を降って、韓国の方の厚意に応えていました。
 また、自らのプレーで観客のハートをがっちり掴んでしまったのが塩田仁史選手です。PK戦にまでもつれた準々決勝。中国選手のPK2本を止めたプレーぶりに侠気が揺さぶられたのか、試合を終えてロッカールームに戻ろうとする塩田選手に観客席の男性から声がかかりました。「シオタ!」声とともに、塩田選手の手にはスナック菓子の袋が! どうやら、塩田選手のナイスセーブに対する“ご褒美”だったようです。

声をかけた、その理由は?
中後1
金メダルをもらっても、もうひと仕事!
中後2
とりあえず金メダルをかじるのはお約束!?
 表彰式も終ると、大会のボランティアスタッフが選手との記念撮影を始めます。前述のように、相変わらずモテモテの江添選手やキャプテンの岩政選手、2点目決めた堀選手など多く選手がボランティアの願いを快く受け入れ、サインをしたり記念写真を撮ったりと大忙しです。そんな中、決勝点を決めた中後選手の肩を叩く女性が……! “ついにオレにもお声がかかったか!”……と、中後選手が思ったかどうかは知りませんが、振り向いた中後選手が目にしたのはドーピング検査の対象選手に選ばれたというお知らせ。思わず空に向かって「なんだよ〜! 気を持たせるなよ〜!」との咆吼が口をついて出てしまった中後選手。
 チームメイトが喜びに沸く中、ひとりさみしくドーピングチェックに行く直前の中後選手と森ドクターの“出陣写真”をパチリ。ついでに、金メダルがチョコレートではなく本物であることを、かじって証明してくれた中後選手でした。
 ちなみに、日本ユニバ代表チームがドーピング検査を受けるのはこれが2回目。その2回目ともに中後選手が選ばれています。そのうえ1回目は対戦相手がこずに不戦勝となったナイジェリア戦で「相手がきてないのに、しかもオレ、その試合は(怪我で)全然出る予定じゃなかったんですよ〜!」と自分の恐ろしいまでの“当たりくじ”運に嘆くことしきり。さすが、決勝ゴールでチームに金メダルを引き寄せた男。なみなみならぬアタリ運を持ち合わせているようですね。

勝利のエンディングテーマ
 表彰式を終え、ロッカールームに戻った選手たち。着替えて一休みし、それぞれに歓喜の声をあげる中、どこからかメロディが流れ始め、やがてそれは選手たちの大合唱へと変わっていきました。流れていた曲はモリナオヤの『夕空の紙飛行機』。メンタルトレーニング時や、試合前などに音楽を使うことの多いユニバ代表チームですが、この曲は試合後のエンエィングテーマとして、選手たちが自ら選んで持ち込んだとか。選手たちは、曲のサビの部分を何度も何度も繰り返しながらロッカールームを後にし、長かった大会に終止符を打ったのでした。

College Soccer Central 全国大会・国際試合 2003年ユニバーシアード大邱大会