■西田裕之 監督
決勝トーナメントに入ってからは楽な試合はないと思っていたので、こういう展開は覚悟していた。今日の相手は身体能力も高く、厳しい戦いになるだろうと思っていたが、守備面で弱い部分があるので、スペースをついてカウンターで攻めるようにと伝えていた。先制点に関しては、立ち上がりに相手の背後をついて取れたので狙い通りだったのだが、早い時間に点を取ったことで攻めようという気持ちが薄れてしまった面があったのかもしれない。
ハーフタイムには、モロッコのトップ下が上がって3トップ気味になることもあるが、それにつられずに4バックを守ることと、背後を取られないように気をつけるよう伝えた。それと、相手の左サイドの守備が弱いので、右サイドにボールを出して勝負を仕掛けるよう指示した。モロッコはDFとDFのあいだがルーズになる傾向があったので、その間をつけば攻められるという話はしていたのだが、なかなかできなかったのが最後の最後、相手の運動量が落ちてからようやくできるようになった。
このチームはまだ成長課程の状態なので、これだけ強いチーム相手に失点ゼロで押さえられたのは本当に大きい。選手全員に守備の意識があった。決勝の相手はイタリアということで、最高の舞台でやりがいのある相手と戦えることになったと思っている。イタリアは守備のチームなので、守りの点で負けないように頑張りたい。
■岩政大樹 主将
準々決勝では1点を守り切れなかったけど、この試合ではディフェンスが踏ん張って、攻撃陣が点を取って勝つことができた。ハーフタイムにみんなには「前の試合と同じことをしないようにしよう」と話したんですが、それを実践できたんで、すごくよかったと思います。
厳しい時間帯が長かったのは確かだけど、このチームは練習試合でも相手にボールを回されるような展開を経験してきたので、その中で集中力を切らさないようにっていうことは気をつけていた。また、それが試合の中で実践できたのは、またひとつチームとして成長できたからじゃないかと思う。
■塩田仁史 選手
結構立ち上がりからずっと攻められていたんですけど、カウンターで1本こられるよりも、ゴールと向かいあって相手の攻撃を受けていたほうが、リズムにはのれっていう部分はありました。DFとも話し合って、最後の最後まで粘ってコースを限定してくれれば、自分の守備範囲も狭くなるし、組織的に守っていけば必ず守り切れると話し合っていたんで……。確かに攻められる時間は長かったけど、相手のモロッコも決定的なシーンや最後の詰めの部分で、そんなに精度のいいボールやシュートがなかった。だから、ここでしっかり止めておけば、FWが点を取ってくれると思っていたんで最後まで我慢できました。
■山崎雅人 選手
1点を取ってからは、縦の関係で守備をしろという指示があったんで守備していたんですけど、チャンスがあれば裏を狙おうという感じでプレーしていて……。最後の最後でチャンスがあったんで、2点目を取りに行きました。FWとしての攻撃の時間は短かったけど、チームとして動けていればFWが点を取らなくても勝てるっていう気持ちがあったんで、そんな辛い気持ちはなかったです。
このチームはFWが決定力不足っていわれていたんで、(田代)有三となんとかして点を取って見返してやろうっていってました。有三は1点しか取ってないんですけど、有三がいて始めて自分も裏を狙えるんで、有三のおかげという部分が大きいです。
■中後雅喜 選手
ずっと試合に出たかったので、初めてのスタメンはうれしかったけど、前半30分までは体力的に本当に辛かったし、倒れるかと思った(笑)。ただ、30分を過ぎてからは身体が慣れてきたし、後半からはいつも通りのプレーができたと思う。
サイドチェンジのパスについては、ハーフタイムにモロッコに対してはサイドを使うような展開が効果的と言われたでやった部分もある。
体力はまだ完璧とはいえないが、決勝に出られたらぜひ頑張りたい。