1999年 第20回ユニバーシアード・マヨルカ(スペイン)大会
College Soccer Central


決勝トーナメント 1回戦結果


 1999年7月8日(木)17:00 Kick Off  於:サンタ・ポンサスタジアム
主審:Michal BENES(CZE) (BRA)  副審:M LLADO (ESP)
副審:J HERNANDEZ (ESP)    予備審:I.RASOLOMALALA (MAD)

 日本    1(1−1)2 イギリス
        (0−1)
  得点者) 1分【英国】James STROUTS
      20分【日本】早川知伸 (アシスト・樹森大介)
      56分【英国】Steven PERKINS

 《メンバー》
【日本】           【イギリス】
 GK 18 高木義成       GK  1 James SHUTT
 DF  2 迫井深也       DF  4 T.ALEXANDER
 DF  3 河口真一       DF  5 Eddie SAUNDERS
 DF  5 北出 勉       MF  6 Matthew EDDIE
 DF 13 影山貴志       MF 12 Nicholas MILES
 MF  6 鶴見智美       MF 15 James STROUTS
 MF 15 佐伯直哉       MF 16 Andrew MURFIN
 MF 11 戸田光洋       FW 10 Steven PERKINS
 MF 14 早川知伸       FW 11 Marc COATES
 FW  8 樹森大介       FW 17 R.STIMPSON
 FW 17 梅田直哉       FW 18 S.RISHWORTH
 《サブ》
 GK  1 山岸範宏       GK 13 C.KINGSTON
 DF  4 谷池洋平       DF  2 Peter MOSS
 MF  7 宮沢正史       DF  3 Neil LE BIHAN
 MF  9 鈴木勝大       MF  7 Russell PENN
 FW 10 黒部光昭       MF  8 Nicholas RODDIS
 DF 12 石川竜也       FW  9 Ben HATTON
 FW 16 柿本倫明       FW 14 Paul ADOLPHE

 《交代》
 64分【日本】OUT 15.佐伯直哉   IN 7.宮沢正史
 64分【日本】OUT 8.樹森大介   IN 10.黒部光昭
 72分【日本】OUT 17.梅田直哉   IN 16.柿本倫明
 87分【英国】OUT 18.S.RISHWORTH  IN 9.Ben HATTON

 《警告》
 28分【英国】15.James STROUTS
 58分【英国】10.Steven PERKINS

ユニバーシアード大会では、メンバー、警告、退場、得点以外の一切を公式に記録しておりません。したがって、上記の得点・警告・交代時間は現地での実測時間です。あらかじめご了承ください。また当日のポジションではなく、登録上のポジションを記載している場合もあります。

 戦評
 「相手は(南アフリカ戦の不戦勝で)1戦休んで休養十分だから、立ち上がりは特に気をつけるよう指示したのだが……」。下位トーナメントの1回戦、対戦相手のイギリスは、野地監督が試合前に危惧していた通り、試合開始直後の隙をついて先制。日本は、前試合に続いてこの試合でも立ち上がりの時間帯に相手にゴールを許し、この失点に最後まで苦しめられることになった。一度は同点に追いついたものの、後半に入ってからのセットプレーで再び失点。同点ゴールを挙げた前後は完全な日本ペースとなっていたが、追加点を挙げられずに前半終了。結局、不容易な失点と、ゴールすべき時間帯にゴールできない日本のツメの甘さが、最後の最後まで影響し日本の初勝利はお預けとなった。

 日本は、この試合でも若干のメンバーを入れ替え。GKは高木、DFラインは右から迫井、河口。そして前試合に初出場をはたした影山と左SBに北出をおく4バック。中盤は鶴見と佐伯のダブルボランチに右ハーフが早川、左に戸田。前線は初スタメンの梅田が右に樹森が左という布陣で挑んだ。
 失点シーンは開始20秒。イギリスのキックオフボールを(11)Marc COATESがドリブルで持ち込み、影山を振り切ってペナルティエリアへ。(11)から出されたパスをフリーで受けた(15)James STROUTSが、GKとの1対1をかわしてゴール。
 あっという間に先制された日本だったが、5分すぎからは徐々にペースを掴み、5分、11分と続けて戸田がシュート。ミスからイギリスにサイドを突破されるシーンが目立つものの、攻撃のペースは日本に移りつつあった。そして20分には、北出のカットしたボールを、左サイドで度々突破を見せていた戸田がドリブルで前線の樹森にパス。樹森のクロスをフリーで走り込んでいた早川がワントラップしてシュートを放ち日本がゴール。ゲームは振りだしに戻った。
 この得点に完全に試合の流れに乗った日本は、その後も度々イギリスのゴールに迫るが、結局フィニッシュで責め切れず同点のままハーフタイムに。

 前半終了時の勢いのまま始った後半は3分に早川→樹森、6分に梅田→戸田と攻撃の形ができるがゴールまではいたらず。逆に11分には、ジリジリと攻撃ラインを押し上げるイギリスに対して不容易なファウルからFKを与えてしまう。このFKをイギリスの(10)が壁の間を抜けるシュートでゲットし、ゲームは再びイギリスがリード。14分には戸田のスローインを樹森がつなぎ、梅田がヘディングを放つという非常に惜しいシーンがあったが、これはわずかにゴール右。同点に追いつく決定的なチャンスを逃した日本は、宮沢・黒部を投入して流れを変えようとするが叶わず。20分に戸田、24分に黒部、27分に鶴見とシュートチャンスを得ることは得るのだが、いずれも決定的なチャンスにまでは至らない。27分には怪我で調子の悪い梅田と柿本を交代するが、状況は変わらず。むしろ、30分すぎからは、焦る日本に対しイギリスが落ちついた展開でゲームを支配。ラスト5分は日本も前線にロングボールを放り込むだけに終始してしまい、結局1−2のままタイムアップとなった。

 「最初の1分の失点が大きかった。トーナメントでは気持ちを切り替えていこうと言っていたのが、あの失点で自分たちの力を出し切れなくなってしまった」と河口キャプテンが振り返るように、開始直後の失点があまりにも大きな失点となってしまった試合だった。しかし、試合全体に見れば決して相手の力が上回っていたというわけではない。「すべてが裏目裏目になってしまった」(野地監督)もあるが、ゲーム全体を通しての凡ミスの多さやツメの甘さ、DFラインの不容易なミスなどがあまりにも多すぎた。リードされているときに、いかに冷静にゲーム運びをできるか。日本は、そうした面で足りない部分が多く、結果としてゲームを落としてしまったのかもしれない。


 野地照樹 監督コメント
 相手は休養十分だから、とにかく立ち上がりは特に気をつけ、前からのプレッシングされるのを防ごう。最初の20分間で相手の攻撃を見極めて、あとは積極的に行けと指示を出していたのだが、結局心配していた通りの展開になってしまった。
 前半はチャンスもあったしシュートシーンもあったと思うが、結局決め手に欠けるというか同点に追いついたあとに追加点をあげられなかったのが大きかった。チャンスは右サイドの戸田ばかりからだったし、その戸田にしてもひとりでやろうとしていたと思う。戸田にしても、1点も取れていないという焦りがあったのだろうが、DFと2対1でも無理に抜こうするシーンが目立った。もう少し冷静になっていれば、また少し違っていたかもしれないが……。
 佐伯に関しても、前半は意識して前に上がって攻撃に絡めといっていたのだが、それが結果として前線にボールを当てるスペースをなくしてしまった。梅田の交代にしても、結局大丈夫だと思っていた怪我が原因で交代することになったし、すべて裏目裏目に出てしまったという感じだ。

 河口真一 選手コメント
 とにかく最初の1分の失点が大きくて、相手がどうのこうのというのではなく、自分たちの力をだせなくなってしまった。DFラインと中盤が開いたところを攻められるというのは、修正しようという意識はあったのですが……。ラインの押し上げにしても、前半はラインがバラバラになってしまったので、後半はそうならないよう気をつけていたのだが、結果としてラインを押し上げらないという状況になってしまった。
 終盤の攻撃面に関しては、黒部や柿本を活かすために長いボールを出したのだが、もう少し外からの展開もあればチームとして攻撃の幅も広がったかもしれない。気持ちが前に前にと行きすぎてしまって、結局試合の流れをうまくつかめなかった。

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