大学サッカー情報 〜全国大会〜
College Soccer Central


1999年 第48回全日本大学サッカー選手権大会 記者会見コメント


全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)記者会見(1999年11月12日)における、
各校監督のコメントです。

 筑波大学 (関東第1代表)  萩原武久 監督

 今年はリーグ戦を5年ぶりに勝たせてもらった。怪我人もなくリーグ戦を終えられたので、インカレもなんとか勝ちたい。インカレには昭和54年の28回大会以来(単独では)20年間優勝していないので、チャレンジ精神を持って、アグレッシブに、みなさんの期待に応えるような試合をしていきたい。

 注目選手は清水商業出身、左SBの小林宏之。今年の途中で千代反田にかわって出てきた、左足のスペシャリスト。このあたりを、目に留めておいていただけたらと思う。また、FWの戸田のスピードには注目してもらいたい。リーグ戦では得点王だったが、6得点と遠慮をしながら点とっていた感じがあるので、もっと彼に点をとらせたい。


 九州産業大学 (九州第二代表)  籾井徹司 コーチ
 初戦が関東リーグ優勝の筑波ということで厳しいが、昨年今年と全国大会では初戦敗退に終わっているので、なんとか初戦を突破したいと思っている。

 注目選手は10番の中原進児。中盤のオフェンシブな選手だが、彼の出来がウチのチームの勝敗を左右する。彼に注目してもらえればと思う。これといった主力のいないチームだが、とにかく全員攻撃全員守備をモットーにして、中原を軸に戦っていきたいと思っている。


 広島修道大学 (中国代表)  三保 郊 監督
 8年ぶりにこの大会に来たが、中国リーグでの1試合1試合ごとにチームが強くなって、最後に逆転のような形で出場権を得ることができた。リーグ戦が終わって2週間足らずだし、この大会のために特別なことをできなかったので、リーグ戦での勢いを高知大にぶつけて、まずは1勝をしたい。

 注目選手は14番の村上淳。中国リーグでは11得点で得点王となっている。左右両足で相当強い球を蹴れるし、身長があるのでヘッドでも点が取れる。どちらかといえばカウンターからの攻撃を得意としているチームだが、その中でも左右のゾーンにクロスを入れていく戦い方をしたいと思っている。 丸となれたので、がんばりたい。


 高知大学 (四国代表)  七條 泰昭 コーチ
 今年の高知大はレギュラーとサブの力の差がなく、選手をどう起用しようか野地監督も頭をひねらせている。その分、1試合1試合違う選手を起用したりして、試合ごとに違う展開ができる。目標としては、1回戦の広島修道大に全力を出して戦い、とりあえず初戦を突破したい。

 キーマンは、9番の野村景介というトップの選手。ドリブルや身体能力なども高いが、繊細なボールタッチや、落としてからの展開も期待できる。例年攻撃と守備のバランスが悪く、点はたくさん取るがその分取られるのも多いチームだったが、今年のチームはバランスがよく、高い位置でボールを奪って少ないパスでゴールを決められる。ぜひ、その点に注目してほしい。


 近畿大学 (関西第1代表)  田中 幸雄 監督
 私たちにとっては、(リーグ優勝もインカレ出場も)すべて初物づくしなので、全国レベルがどういうものかもわからない出てきている。リーグ戦の勢いをそのまま持ってきたつもりだが、なにぶん初めてのことなので心配な部分もある。だが、雰囲気に呑まれないようにすれば、ウチのサッカーができると思う。そしてなんとか関東にひと泡ふかせたいし、ウチのつなぐサッカーを見せたいと思っている。

 注目選手は6番、7番、8番の選手。3人とも163センチから166センチと関西でも非常に小さな選手だが、このちびっ子トリオがうまく機能すれば、相当おもしろいゲームができると思う。特に津山憲毅、吉田陽一あたりのドリブルを見てやってほしい。ウチのチームは、みんな背が小さいので、足下のつなぐサッカーを見てもらいたい。


 福井工業大学 (北信越代表)  山西 輝也 監督
 先ほど全国大会の常連チームという紹介をされたが、いつも1回戦負けで幽霊のように消えていくチームなので、今年は北信越地域の悲願でもある、全国での1勝を目指していきたい。

 注目選手はトップの18番・猪島一哲。この選手が点を取ってくれて、リーグ戦では得失点差+33という結果を残せた。ウチのチームは、彼の出来いかんになるだろう。ただ、リーグ戦では思いのほか失点が多かったので、その点を修正して、DFの与沢や山口を中心にどれくらい近畿大の攻撃を防げるかということに注目してもらいたい。


 順天堂大学 (関東第5代表)  久保田洋一 監督
 リーグ戦では、結果的に1位から3位に勝って、4位から6位には負けるという、強いんだが弱いんだがわからないチームといわれた。そこで、やっぱり順大は強いんだといわれるためにこの場にきたつもりだ。全国大会に勝つためには、守って守ってカウンターというのが一番の近道だが、それは非常につまらないサッカー。勝つために、そんなサッカーを考えたこともあったが、学生とも話し合って、今年は1点取られても2点取れるサッカーにしようとうことになった。勝敗はゴールが枠に入るか入らないかだけ。今年は、より攻撃的なサッカーをしようと思っている。

 客観的には、リーグのベストイレブンに選ばれた早川と迫井が注目選手だろうが、私自身、チームの中心は12番の青葉幸洋だと思っている。、彼の90分集中したプレーというのは非常に学生らしく、成長を楽しみにしている。あとの選手はどんぐりの背くらべ。どんぐりというのはノれば非常に調子よくいけるが、いっぱつやられるとそのままズルズルになってしまう。そうならないように、集中して戦いたい。リーグ戦での失点パターンは、結局中盤でボールを奪われるということが原因なので、その点を注意したい。またリーグが終わってからの12日間、徹底して中盤からオープンの攻撃の練習をしてきた。1点とられても2点とれる、オープン攻撃をみてください。


 岩手大学 (東北代表)  鎌田 安久 監督
 今年の総理大臣杯で、東北代表の仙台大がベスト4という活躍をした。今回はその仙台大に勝って、文句なしでインカレに出場することができた。そこでやはり、東北代表としてこの大会に出場するにあたっては優勝を目指していい試合をしたいと思っている。

 注目選手は20番の佐藤和人。岩手大はその名前の通り固いイメージがあって、通称ガン大といわれるほどなのだが、その中にあって非常にボディバランスのある、柔らかいプレーをしている。ほかの選手は、出身校を見てもらればわかるように、名もなき星たちの集まりなので、個人というよりチーム力で勝っていきたい。


 静岡産業大学 (東海代表)  三浦 哲治 監督
 東海地区もレベルが上がって、今年は中京大、愛知学院大、静岡産業大の三つ巴で、下馬評的には中京大と攻撃の愛学大といわれていた。静産大は怪我人が多かったこともあるが、降格の名古屋学院大と入れ替え戦行きの静岡大の2つに引き分けたが、その上のチームに全部勝つなど、非常に粘り強く、学生らしいサッカーをする。この大会ではその粘り強いサッカーで、関東関西の強豪校に勝ちたいと思っている。去年も全国大会や天皇杯でことごとく1回戦負けているので、なんとか1回戦に勝ちたい。

 注目選手は、客観的にはユニバ代表候補の繁田智大。だが、面白い選手なのは27番の半田幾也。小さな選手ですが、静岡学園出身ということもあって、使い方によっては面白いと思う。チームとしては、組織的な守備力と早パス回しに注目してもらいたい。あとはそうした攻守の繰り返しと、学生らしく粘り強くサッカーをすることですね。


 阪南大学 (関西第2代表)  須佐徹太郎 監督
 先ほど順大の久保田監督も言っていたが、ウチは1点取られて2点取るというサッカーをリーグ戦では地でいって、30得点だが16失点という不本意なシーズンになった。選手の故障もあったが、春のリーグ戦では9失点で上位チームにはゼロ勝ちが多かったのに、あ秋は非常に不本意だった。最後はなんとか怪我人も復帰したが、リーグの最終戦では92分にDFの要の坂口が退場もしている。そんな状態でこういうことをいうのもなんだが、しっかりした守りから攻撃的ないいサッカーをやりたいと思っている。去年は1回戦で勝ったが2回戦では8割がたボールをキープしていながら、1点が取れずに福岡大に敗れたり、総理大臣杯でも愛知学院大に前半、失点をくらって追いつけなかったので、今年はぜひ全国レベルで、ひとつでも上にいきたい。

  天皇杯予選では怪我をして出られなかったが、影山貴志は注目選手。彼は(サンフレッチェ広島から移籍してきたが)おそらく、またプロに戻れるだろう。また、2年連続得点王の金川幸司も注目選手だ。先日東海リーグを見せてもらったが、中京大を静岡産業大が攻撃力で圧倒していたので、影山を中心とした守備力で戦っていきたい。また、それに金川と中野隆治を活用した攻撃を見てもらいたいと思っている。


 国士舘大学 (関東第4代表)  大澤 英雄 監督
 今年の秋リーグで3連覇を目標に掲げたが、最後まで入れ替戦を気にしながら7節を終えることになり、最初から最後まで不本意な展開だった。リーグの初戦からけが人が続出し、最後まで一貫したチーム編成ができなかったことが大きな敗因。この大会でも同じような状況ではあるが、3連続大会の決勝進出やこの大会の2連覇という、大きな目標を掲げている。どこまでできるかわからないが、選手一同、この目標をもって初戦に望みたいと思っている。

 国士舘は大特に注目する選手は紹介するほどいないが、あえていうならば板橋裕也と山根伸光、渡辺誠。この3人に共通していえることは、背が小さいということですね。あとは、中盤で要になる4年生の鈴木勝大。ただ、鈴木はどこにでも顔を出したがるので、チームとしてはやや迷惑な部分もあるのだが、4年生としてチームを引っ張る上では欠かせない選手だ。ウチのチームは中盤から前線にかけて上背がない選手が多いので、セカンドボールをどれだけ拾えるかが、ゲームを大きく左右する。ひとりひとりは結構わがまま集団なので、そのへんをおさえてきたいと思っている。


 道都大学 (北海道代表)  田代正信 監督
 この大会は初出場だが、1回戦ですばらしい相手と当たることになった。大変お世話になった大澤先生と当たってしまったことがうれしいような残念なような感じだ。明日は全力で当たって、悔いのない試合をしたい。
 ※田代監督は国士舘大出身で、大澤監督の教え子にあたり師弟対決となる。

 注目選手は2番の北出勉というユニバ代表選手と、ユニバ代表候補までいった森直樹。2人の高さのある守備やスピードを見ていただければと思う。チームの特徴としては、できるだけセットプレーから点を取っていきたいと思っている。180センチ台の選手が3人くらいいるので、そのあたりを前線においたときのセットプレーをみていただきたい。


 福岡教育大学 (九州第1代表)  三本松正敏 監督
   昨年は、1回戦で関西学院大学にやられたが、(同じ九州代表の)福岡大が準優勝というすばらしい成績をおさめた。今年は九州の第1代表としてきているので、昨年福岡大が活躍したのと同じように「九州ここにあり」という活躍をしたい。

 注目選手は10番の森田浩史。この秋の九州リーグでも得点王に輝いている。188センチと身長もあるが、大きなわりに膝の柔らかい選手で小技もきくので、ぜひ注目してほしい。ただ、どうしても森田に注意が集中すると思うので、そこで2列目からの攻撃がどれだけできるかということを、私自身も非常に注目している。


 東京学芸大学 (関東第3代表)  松本 直也 監督
 昨年までんは2部リーグにいたので入替え戦が目標だったが、今年は1部に上がってインカレ出場を目標にやってきた。インカレに出られることが決まって、選手の雰囲気もいいし、学芸大にとって新しいステップに進めるということで、とにかく初戦突破を目的にやっていきたい。

 注目選手は、リーグでベストイレブンに選ばれた堀之内聖くらいだが、彼は黙っていてもやってくれる思うので、キーマンとして神田文之をあげたい。私も本人もリーグ戦は不本意だったと思うので、このインカレでは活躍を期待したい。守備力には多少の自信があるので、そこからどうできるか。攻撃面では、相手のバランスをいかに効率よく崩すかということだと思う。


 関西学院大学 (関西第3代表)  阿部 洋夫 監督
 リーグ戦でも、精神的な強さには自信を持っているチームだったと思う。昨年の大会では2回戦で明治大にコテンパンにやられたが、それ以来チームも成長したかなと思っている。秋も楽しみにしていたのだがが、怪我人が多く、怪我をしてもかまわない選手が無事で、怪我をしたらマズイ選手が怪我をして、なんとか出場権を得たという感じだ。大阪らしく、ねちっこいサッカーでなんとかがんばっていきたいと思っている。

 注目選手のひとりは、FWの宮崎健治。ただし怪我をしており、本当にやれるのかはっきりしない。夏の間に1試合もプレーしていないのも不安ではある。もうひとりは青野大介。最終戦は怪我で出られなかったが、だいぶ回復しているので、彼の左足を見ていただきたいと思う。チーム全体としては、近畿大に負けないくらいの小さい選手の多いチームだが、その小さな選手がたばになってボールを取りにいく姿を見ていただきたい。そこから、どうサイドの選手があがって試合を展開できるかだと思っている。


 駒澤大学 (関東第2代表)  岡田 誠史 コーチ
 リーグ戦は最後で負けて優勝を逃し、大変くやしい思いをした。インカレは、そのくやしさをバネにして、ひとつひとつ勝ち進んで、優勝を目指してがんばっていきたい。

 注目選手はキャプテンの内田潤。大変気の強い選手なので、90分フィールドに立っていればリーダーシップを発揮してチームをまとめられると思う。しかし、気が強い分、90分間フィールドにいられないこともあるので、その点は本人にもよくいいきかせたいと思っている。昨年までとは違い、最後まであきらめない、学生らいしいサッカーをするチームに変わりつつあるので、その点を見ていただきたいと思っている。 。


College Soccer Central 1999年全日本大学サッカー選手権大会