2010
関東大学リーグ戦
表彰者・コメント集
11月21日、第84回関東大学サッカーリーグ閉会式が行われ、順位と各個人賞が発表された。前号に続き、関東リーグ総括(2)として2部リーグの今年を総括する前に、各賞を受賞した選手数人のコメントを紹介したい。
(※表彰者一覧は関東学連公式サイトに掲載:1部リーグ/2部リーグ)
1部:MVP・ベストイレブン
明治大・山田大記(MF・4年)※来季:磐田加入
今年は当初から怪我には気をつけようと思っていが、結果的に負傷してしまい、優勝の瞬間や最終節でピッチの上にいられなかったのが残念。ただチームは優勝できたし、その都度自分なりにちゃんとやってきた結果の怪我なので、仕方がないと思っている。あとは、早く直すことだけを考えたい。
MVP賞の受賞は素直にうれしいが、最後の数試合は(怪我で)まったく出ていなかったので、自分がもらっていいのかな、とも思った。3年生の中には全試合フル出場に近い選手も多くいたので、貢献度からしたら彼らのほうが……という気持ちもある。
1年の開幕戦から使ってもらって、長いようで短い明治大の4年間だった。途中怪我もあったが、本当にいろんなことを経験できたと思う。
1部:得点王・新人賞・ベストイレブン
筑波大・赤崎秀平(1年・FW)※09年U-18、高校選抜・佐賀東高
新人賞については、得点をたくさん決めたから受賞できたと思っています。ベストイレブンについては、周りから「(受賞が)あるんじゃない?」と言われていたんですが、まさかもらえるとは思っていなかったので光栄です。
筑波大は中盤に素晴らしい人たちが揃っていて、今日の得点も含めて毎試合ですが、自分が動けばほしいところにパスをくれる。自分は本当に恵まれていたと思います。今日の試合では(得点数が並ばれたということを)少し意識していましたが、風間監督にも「お前が点を獲れ」と言われていたし、いつもどおり自分が点を獲るつもりで臨みました。
ただ、(シュートチャンスを)外した回数も多いので(笑)。全部入っていれば30点くらいはいっていたと思う(※実際は15得点)。それくらい1対1のシーンも多かった。今思い出しても、「あそこは決められたな」というシーンが多くて、まだまだ満足はできていない。来年は4年生も抜けて思いどおりにならないことも多くなると思う。そのなかで自分が点を獲ってチームを勝たせられるかどうか。それが今からの課題だと思います。
1部:ベストヒーロー賞・ベストイレブン
流通経済大・武藤雄樹(FW・4年)※来季:仙台加入
昨日のゴールで赤崎選手と得点数は並んだけど、正直同点ではあやしいなと思っていた。今年の筑波大は得点力があるし赤崎くんがすごいFWだということはわかっていたので……。やはり昨日の試合で、もう1点取りたかったな、というのが正直なところです。今年の自分のプレーには全く納得できていないが、こうした順位でもベストイレブンに選ばれて、評価してらえたということが本当にうれしい。
ベストヒーロー賞は、応援してくれる人がいてもらえる賞。価値がある賞だと思う。前期が終わったときに(2位以下に)差がついているということは聞いていたが、そこまで気にしてはいなかったので……。このまま(Jに行っても)応援してもらえるよう、がんばりたい。
1部:4年間最多出場
順天堂大・岡本達也(FW・4年)
これはもしかして、最長老賞ですか(笑)? それは冗談として(笑)、昨年は2部の得点王、今年は1部の得点王を狙っていたので、それが達成できなかったのは残念。ただ最多出場をいただけたのは、チームのスタッフ含め、選手みんなが信頼してくれたからだと思うし、非常にありがたい賞だと思う。この経験を次のステージにも活かしたいと思います。
4年前にプロ選手としてプレーしていた磐田から順大にきて、一番素晴らしいと思ったのは、大学では選手主体でチーム、サッカーを作っているということです。もちろんプロの監督がいて……という形も大事ですが、選手がピッチの内外でいろんな話をしてぶつかり合い、うまくいったりいかなかったり、修正しながら試行錯誤する。そうした中で勝てたときには、何ものにも代えがたい喜びがありました。サッカーの素晴らしさを改めて確認できたので、できることならずっとここでサッカーしていたい。みんなから遅れて大学に入ったのに、まだまだやり足りない気持ちでいっぱいで、あと7〜8年は大学でサッカーしたいくらいです(笑)。
入学したときは4年間は長いと思いましたが、終わってみればあっという間で楽しい4年間。苦しいこともあったけど、今となっては、それもよい経験でした。
1部:新人賞
駒澤大・碓井鉄平(1年・MF)※09年高校選抜・山梨学院大附属高
賞をいただいたのはうれしいが、前期後期合わせて3ゴール3アシストという結果は個人的には不本意というか、モノ足りなさも感じた。正直、開幕前はもっと自分自身できると思っていたので納得はしていない。点数をつけるとしたら60点くらいだと思う。
今年は11人の中のひとりの選手としてしかプレーできなかったが、来季はもっと自分が中心となってボール回しをしたり、個の力で点に絡んでいけるようにならなければ。ただ、選抜に参加すると自分よりうまい人はたくさんいる。技術的なところで勝負しても限界があるので、運動量や守備でボールを奪ったり、そういう部分も意識していきたい。
2部:ベストイレブン、4年間最多出場
青山学院大・武田英二郎(DF・4年)※来季:横浜FM加入
ベストイレブンはすごくうれしいが、今季は3年の関(隼平)や阿部(悠紀)を始めとするチームメイトもすごくよかったので、彼らにも受賞してほしかったな、と思います。個人的にいえば、今季は自分よりほかの選手のほうがよく、自分的にはあまりいい1年ではなかった。
(今年から就任した)福永(泰)コーチから問題点を指摘されて、それを修正しようと思ってやってきたが、クリアーできないことも多かった。福さんの目指してるサッカーを、俺が足を引っ張ったというか、実践できないことも多くて、もっとうまくなりたいと思い続けた1年間だった。
1部昇格については1年間、どんなに悪いときでもチームのまとまりを貫き通そうとした結果。最後にああいう形で昇格できて、信じてやってきて本当によかったと思った。
ユース時代は怪我が多くてほとんど試合に出られなかったが、青学大にきてからは大きな怪我もなく4年間ずっと試合に出られた。だから4年間最多出場はすごくうれしいです。ただ、全試合出ないともらえないと思っていたので、名前が呼ばれたときはびっくりしました(笑)。
2部:新人賞
東京学芸大・茶島雄介(東京学芸大・MF)※広島ユース
こういう賞をいただけて光栄だけど、チームみんなのおかげで取れた賞だと思っています。1年から試合に出させてもらって、自由にプレーさせてもらったのに、大事な試合で何もできなかった。だから、来年はチームの課題でもある得点力を向上させるため、自分が得点につながるプレーをできるようにしたい。
2010
関東リーグ総括(2)2部リーグ編
引き分けのない強さ――
専修大の独走
リーグ最多の12得点をあげ、専修大優勝の原動力となった神村奨。
高山との2トップでゴールを量産した。
閉会式前日、11月20日に全日程を終了した第84回関東大学2部リーグ。1部で明治大優勝が確実視されていたのと同様、2部では今季降格したばかりの専修大が優勝“本命”と目されていたが、下馬評どおり圧倒的な攻撃力で2節を残して優勝を確定した。1部昇格の残りひと枠を賭けた2位争いは、青山学院大、東洋大、東京学芸大の3チームが最終節まで競り合う激戦模様。東洋大と東学大が最終節の直接対決でスコアレスドローとなったのに対し、青学大は専修大相手にきっちりて勝ち点3をゲットし、最後の最後に2位にジャンプアップ、1部昇格を決めた。
専修大の優勝は“規定路線”だったといえる。昨年、2部降格が決まったときには“なぜ専修大が?”という声も聞かれたほどで、2部での専修大の実力は抜きん出ていた。個々の選手を見ても、速さと技術を兼ね備えた2トップの神村奨、高山薫に加え、中盤の小幡純平、ボランチの関根雄太、佐伯大成、左SBの藤本修司と1部でも十分戦えるタレントが揃っている。今年はそこに町田也真人というチャンスメーカーと、新人賞を受賞した高さのあるCB・本名正太朗がレギュラーに定着。1年での1部復帰は、極めて現実的な目標だったといえる。
スピードとドリブルを武器に、ゴールとチャンスの両方に絡んだ高山薫。
神村と同じく12得点を奪取したが、規定の14得点を超えられず得点王にはなれなかった。
今年の専修大の強さは“取りこぼし”がないこと。攻撃力のあるチームだけに大量得点で勝利した試合に目が行きがちだが、“負けない”ではなく“勝って勝ち点3を獲る”を徹底できたことで首位独走、早期優勝が実現したといっていいだろう。リーグ22試合を通して、引き分けが1試合もないことがそれを証明している。
だが上位チームとの対戦では勝てないという課題も残った。2位青学大と3位東洋大には、前後期ともに連敗。特に東洋大は今季唯一、ゴールをあげられなかったチームだ。ほかのチームに対しては、圧倒的な攻撃力でねじ伏せるところを、東洋大や青学大のようにきっちりスペースをケアし、裏を狙うことのできるチームに対しては、隙をつかれるパターンも多い。来季の1部リーグでは修正点のひとつとなるだろう。「前回1部に昇格したときは、つないで崩す自分たちのサッカーで1部にある程度風穴を開けることができたと思っている」と源平貴久監督は言う。だが復帰となる来季は「中身を高めることだけに満足してはダメ。もっと勝負にこだわらなければならないし、1部に残留するか降格するかといったときに経験したシビアな戦い方も反映していかなければならない」。
勝負強さを身につけた
青山学院大が昇格枠争いに競り勝つ
そして最終節に専修大に勝利し、昇格のもうひと枠に滑り込んだのが青山学院大だ。もともとテクニックのある選手の多い、いわゆる“巧い”チームで常に優勝候補にあげられながらも、大事な試合で競り負けるなど粘り強さの部分が課題となっていた。
その課題克服のきっかけとなったのが、今年からコーチに招聘された元浦和・仙台の福永泰氏の存在だ。福永コーチの指導では、サッカーのレベルアップはもちろん「勝負する気持ちが強く出るようになった」(宮崎純一監督)。その効果が顕著に現れたのが、リーグ終盤でのアクシデントとその後の展開だ。
第18節の試合は、同じ勝ち点で2位を争う東学大との直接対決という大一番。だが、青学大は選手証不携帯のため試合をすることなく勝ち点3剥奪という処分を下され、昇格争いから大きく後退することとなった。だが、その後東学大が勝ち点を伸ばし切れないということもあって、青学大は東洋大と競り合いながら3位をキープ。最終節には“他力本願”ながら、勝てば昇格というところまで追い上げた。最終節の相手は首位・専修大。すでに優勝を決めているとはいえ圧倒的な攻撃力をもった相手に、しかし前半を2−0とリードで折り返した青学大。後半には1点を返され、さらに主将・武田英二郎(横浜FM内定)が警告2枚で退場するというアクシデントにも見舞われたが、1点のリードを守りきって勝利。2位の東洋大がスコアレスドローに終わったため、順位が逆転。4年ぶりの1部昇格を手にした。
青山学院大の主将・武田英二郎。攻撃的な左SBで来季は横浜F・マリノス入りが決まっている。
一方、最終節まで昇格枠を競り合いながらも昇格をはたせなかったのが東洋大と東京学芸大だ。
西脇徹也氏が監督に就任して4年目となる東洋大は、昨季までの波のあるチームとは一転、1年を通して安定したゲーム運びでリーグを戦った。守備的なチームというわけでもないが、総失点14は東学大と並んで2部リーグ最小失点。負け試合3も、首位・専修大を抑えて12チーム中もっとも少ない数字だ。専修大や青学大など上位チームに対しても相手の出方を抑えてからチャンスを作る、“頭のいい”サッカーで勝ち星をあげている。昇格を射程圏内に入れていったのは当然のことだろう。
ただ、最後の最後に“得点力不足”という課題が昇格の壁となった。総得点数17という数字は、12チーム中2番目に少ない数字だ。「ゴール前では“個”の力が必要。そこを鍛えられなかった」(西脇監督)。
最終節の東学大戦のように、圧倒的に攻めこみながらもゴールをあげられずスコアレスドローに終わる試合も少なくなかった。「結局、昇格できるのは取りこぼしのないチーム。ウチは勝ちきれないゲームが多かった」(西脇監督)。
とはいえ「(就任以来)毎年内容も結果も上向きになって、選手たちに迷いがなくなった。トレーニングをしていても、今年はゲームを支配する力が違う。成長しているというのはたびたび感じた」と西脇監督。3位という関東リーグ昇格以来の最高順位が、来季にどうつながるか期待がかかる。
安定感のある守備は今季の東洋大の特徴のひとつ。
DFラインの中心、若狭大志のエースキラーぶりも際立った。
得点力不足に苦しんだのは4位の東京学芸大も同じ。昨年も同じような形で昇格を逃しているだけに、開幕前には「今年は得点パターンを増やしたい」(星貴洋監督)とコメント。新人賞を受賞した茶島雄介、山崎直之ら個人技に長けた1年生の活躍もあり前線が活性化。昨年に比べ攻撃の幅は広がったが、東洋大同様“勝ちきれない”試合が多すぎた。
第17節の東農大戦では、チームの要である主将の向後陽平が骨折。翌18節は没収試合となったために勝ち点3を得たものの、東学多の屋台骨ともいえるボランチ・向後を失った影響は大きかった。第19節以降、白星はおろか1ゴールさえあげることができず、「向後がいなかったから勝てなくなった、といわれても仕方のない結果」(星監督)になってしまった。
課題ははっきりしている。「相手に厳しく対応されて個人技を封じられたときに、周りを使ってどう動くか。得点にいたる共通イメージが作れなかった」(星監督)。堅固な守りには定評のある東学大だが、来季1部復帰を目指すためにはチームとして攻撃の共通イメージを確立させたいところだ。
新人賞を受賞した東京学芸大・茶島雄介(左)と競り合う、東洋大のボランチ・中里壮太。
昇格を賭けた直接対決はスコアレスドローに。
専修大同様、今年2部に降格した東海大の最終順位は5位で、1年で1部復帰という目的をはたすことはできなかった。前期は開幕から3連勝、後期も5試合連続負けなしと好スタートを切った東海大。もたつく上位陣を尻目にジリジリと順位をあげて昇格圏内を狙ってきたが、前期も後期も中盤から終盤にかけて連敗を喫し、波に乗ることができなかった。
それでも得点力不足に泣いた昨年に比べると、坂本勇太、井上和馬ら“点を獲るべき”選手がゴールに絡む得点の形を持っていたのは大きい。攻守両面に絡むボランチ、岩上祐三の出来如何に左右される傾向は否めないが、連敗癖さえ改善できればもっと上位を狙える実力はあるはず。
前期は最下位、後期は2位
関東学院大の猛追
東海大の軸、岩上祐三(右)と予想外の大健闘を見せた関東学院大の主将、有永一生(左奥)。
実力的にはもっと上位を狙えたと思われるのが6位の日本体育大と7位の朝鮮大だ。フィジカルの強さをかわれてFWからCBにコンバートした日体大の山口聡史、C大阪入りが内定している金聖基ら、両チームとも身体能力の高い選手が多い。
特に日体大は、運動量豊富なMF岩尾憲(湘南内定)やユース代表のDF田中優毅、突破力のある池亀翔、得点力の高いFW米田直人ら各ポジションにキーマンが揃っている。さらに3年前に高田泰樹監督が就任してからは、つないで崩す形と前に速いサッカーの両面を使い分けられるという強みがあった。しかし、ここぞというところでの粘り強さに欠け、好不調の波を抑えられなかったのが最終的な順位に大きく響いた。
今年から監督に金鍾成氏が就任した朝鮮大も日体大同様、好不調の波が大きいチームだった。エース李晃赫、中盤のテクニシャン卞栄将や洪泰日などタレントは少なくないが、対戦相手に“お付き合い”してしまうこともしばしば。結果、上位チームとは互角の以上の試合を展開するが、下位チームに取りこぼすことも。「選手が自分たちで状況判断して、それをプレーで表現するというアクションまではできるようになった。変化はあったがまだ結果には結びついていない」(金監督)。
日体大の中盤のキーマン、岩尾憲。
運動豊富なミスの少ない選手で、来季は湘南入りが決まっている。
予想外の健闘を見せたのが今季関東リーグに昇格した関東学院大だ。リーグ当初からつないで崩す“自分たちのサッカー”で勝負した関学大。前期は惜しい展開までは持ち込めても勝ちにつなげることができず、白星なしで最下位と奮わず最下位で折り返したが、後期は一転“勝ち方”を覚えた。サッカーそのものを変えたわけではないが、セットプレーや1対1など確実な場面でのプレーの精度が向上。前期の反省を糧に、ここまで飛躍したチームもないだろう。後期の成績だけ見れば、勝ち点21は首位・専修大と同率で2位。最終順位は8位だが、来季に向けてあなどれないチームに成長したのは間違いない。
関学大と同じく“昇格組”の國學院大は、最終節まで残留争いに苦戦。リーグ初勝利は関学大より先で、粘り強い守りをベースとしたサッカーで“上位キラー”ぶりも発揮したが、終盤にかけて息切れを起こし、勝ち点を伸ばすことができなくなった。それでも最終節の残留をかけた尚美大との直接対決では、圧倒的に攻められながらもワンチャンスに賭けるという得意の形で1点をゲット。ロスタイムに1点を返されるも守りきって逆転を許さず、とりあえずの目標であった“関東リーグ残留”をはたした。だが、来季も同じサッカーでは残留ギリギリのラインに留まらざるを得ないというのが正直なところ。上位を目指すためには、今年とは違う展開が必要になってくるだろう。
最終節前に残留を決めながらも、最後の東海大戦で惨敗を喫し10位へと転落したのが桐蔭横浜大だ。今季の不調の原因は12チーム中最多、44失点という守備にあることは間違いない。引き分けの試合も含め、リーグ中無失点で終えられたのはわずか4試合だった。来季に向けては、早急な守備の立て直しが急務となるだろう。
堅固な朝鮮大のDFラインの要・金聖基。
朝鮮大らしい当たり強さが特徴で、来季からC大阪入り。
降格は東京農業大と尚美学園大
数年来の不振を払拭できず
関東リーグから降格となったのは尚美学園大と東京農業大の2チーム。東農大は前後期とも、8試合連続勝ち星なしとスタートダッシュに失敗したことが大きく響いた。ここ数年、下位に沈みながらもなんとか踏みとどまってきた東農大だが、今年は最終節を前に東京都リーグへの降格が決定。「昨年まではチームとしての戦い方ができなくても、最後は個の力でなんとかできる選手がいた。今年は突出した選手がいない分、昨年以上にチームとして戦わなければならなかったが、それができた試合が少なすぎた」(熊埜御堂智監督)。
尚美学園大は最終節で勝ち点差1の國學院大と対戦。勝てば順位が入れ替わり残留となったのだが、両チーム退場者を出す激戦の結果は引き分け。逆転はならず、埼玉県リーグへの降格となった。今季は鍵本勝美監督が復帰し、守備の立て直しとともに新しい“尚美サッカー”を目指したが、結果を出すことができないまま関東リーグを去ることとなった。
なお、関東大会では日本大と城西大が勝利し、来季はこの2チームを加えた12チームで関東2部リーグが実施される。
ロスタイムに追いつきながらも逆転叶わず――。
尚美学園大は'05年の関東昇格以来初の降格が決定。泣き崩れる選手たち。
今季は1部、2部ともに優勝候補が順当に首位を独走する一方、2位以下が混戦模様となる展開でリーグを盛り上げた。なかでも興味深かったのが、前期で結果を出すほうが有利と言われる中で尻上がりに調子を上げ、後期に猛チャージを見せた1部の筑波大と2部の関学大だ。特に、前期は最下位ながら後期は2位という成績で残留をはたした関学大の戦いぶりは、いわゆる“昇格組”にとって絶好の指針となるだろう。
昨年はそれぞれ“踏みとどまった”法政大、東農大の2チームは、今年ついに降格。かつてのように“入れ替え戦”というチャンスがない現在、一度は踏みとどまったとしても、抜本的な変革が成功しない限り留まり続けることは難しい。この2チームの降格は、そのことを端的に表しているといえるだろう。
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