――今季の筑波の雰囲気はいかがですか?
みんながまとまって行こうっていうのがテーマでなんです。だから、上下関係とか誰が引っ張るとか、特にそういうのはないですね。気付いた人からやればいいことだし。みんなにはそういうことを話してて……。自分がキャプテンだから、なんでもかんでもするっていうのじゃなく、みんなでチームをサポートしていくっていうのが今年の筑波のテーマですね。
――去年は主将の谷池選手(洋平・現ヴィッセル神戸)とFWの戸田選手(光洋・現FC東京)がチームの柱としていましたよね。吉川選手は谷池選手と同じCBというポジションに入りますが、イメージ的に意識する部分はありますか? また、去年は戸田選手のスピードを活かす戦術が、筑波大のキーになっていたと思うんですが、その点が今年はどう変わるのでしょう?
(谷池)洋平さんとは3年間、真ん中とサイドで組んでいたんで、いいところも知っているし悪いところもわかってると思うんです。だからそういう面で、いいところは自分に吸収するというか、盗んで行ければいいと思う。
戦術に関しては、やっぱり去年の戸田さんみたいな速い人がいないんで……。ただ前に蹴ってスペースを狙っていくだけじゃ、点が取れなくなると思う。だから、もうちょっと中盤をうまく作ったサッカーにはなると思います。僕自身も、スペースをつくサッカーがいいと思っていないところもありますし。まあ、そのときの戦力で一番いい戦い方ができればいいと思います。それが去年の場合は、たまたま前のスペースをうまく使うっていう戦い方だったと思うし。だから、今年同じことをやろうとしてもそれは無理でしょう。今年は今年のメンバーに合った戦い方を考えていけばいいんじゃないかな。
――筑波大は常にタレントが揃っていると思うのですが、いつも“チャレンジャー”の立場でしたよね。でも昨年にリーグ優勝をはたして、今年は「追われる立場」になりました。そういう面でのプレッシャーは感じますか?
でも、去年も比較的いい成績であったとは思うんです。ただ、ほとんどが決勝で国士舘に負けていたっていうだけで……(笑)。まあ、自分の中では追われる立場とは全然思ってないし、どこのチームとやっても全力で、緊張感を持って戦いたいと思う。もちろん、自分たちの実力は上のほうだという自信はありますけど、そういうことを思っていたら甘えや油断につながっていくんで……。やっぱりより上を目指したい。大学サッカーの中で上でいても仕方ないっていう部分はあります。Jリーグと対等に戦えるチームとか、そういうチームを目指して今年の筑波を盛り立てて行きたいですね。
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1999年関東大学リーグ
筑波大学
吉川京輔選手(4年・主将)
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常勝・桐の葉は本当に蘇ったのか? 豊富なタレントを揃え、常に優勝候補にあげられる名門・筑波大学。ここ数年は下位に甘んじることも多かったが、そんな不振を振り払うかのように、昨年は総理大臣杯、インカレで準優勝。リーグでは念願のタイトルを手中に収めた。チャレンジャーからタイトルホルダーへの変身は、今シーズンのチームにどんな影響を与えたのか……。
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Text&Photo:Reiko Iijima
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