関東大学リーグ2000 キャプテンインタビュー
College Soccer Central


筑波大学

吉川京輔 (3)



――大学へ進学しようというのは、最初から考えていたことですか?

 高校2年生のころ、U-17の大会が終わった頃くらいから考えていました。

――同じチームには、北嶋選手のようにJリーグに行く選手もいましたが、Jではなく大学を選んだ理由は?

 やっぱり、考えの幅を広げたいというのが第一の理由ですね。北嶋なんかは、そのままJに行っても、ある程度通用すると思ったんですけど。自分の場合はまだガリガリで、体も全然作れてなかったし……。いきなりプロに行っても、2年くらいで通用するようになるとはは思えなかったんですね。それなら大学にいって自分の幅を広げて、4年後にもう1回勝負出来れば、という考えで大学を選びました。

――4年後に勝負をかけたいといいましたが、大学はプロと違って“サッカー漬け”という環境ではありません。その中で目的を失ってしまう人もいます。そういった面での不安はなかったのでしょうか。

 確かにありましたけど、不安になるよりもっとうまくなりたいとか、もっとこの部分のレベルを上げたいか、もっとパワーアップしたいとか。そういうことを考えてる時間のほうが多かった。それに入学してからわかったんですけど、筑波の場合は家も大学の近くだし、遊ぶところも大してないし(笑)。練習が終わったら筋トレもすぐにできて、サッカーに集中できる環境だってことは実感できたんで……。そういう意味では、他の大学じゃなくて筑波を選んでよかったと、今思ってます。

――大学のサッカーには、すんなり溶け込めましたか?

 いや、最初は練習量が少なくて(笑)。体調っていうかコンディションを崩して、体が重くなってしまいました。だから試合には出てたんですけど、今ひとつ思ったような動きができなくて……。まあ友達と朝練始めたりして、徐々にでしたね。ただ家とグラウンドが近いんで、そういう朝練もすぐできたし。あと、合宿所とか寮生活みたいに、いっつもみんながいるわけじゃないんで、ひとりになる時間があって、いろんなことを考える時間もあった。そういう点で、大学……筑波にきてよかったなと思います。
吉川京輔5
1998年チャレンジサッカー


大学にいって
自分の幅を
広げたかった



1997年関東大学リーグ


裏に速いFWや
考えてポジションを取る
FWはイヤですね


――2年生のときに一度、入れ替え戦にいきそうになったことがありますよね。やはり、あのときは危機感というか不安があったのでしょうか。

 オレ、あんまりリーグ戦の結果とか頭に入ってないんで……(笑)。だから、リーグ戦の最終節の終わったあとに「あと得失点1で入れ替え戦だったぞ」って聞いて、「やばかったのか」って(笑)。そんな感じなんで、危機感とか不安は……なかったですね。

――チームじゃなく、大学リーグでの試合という面での印象はどうでした?

 やっぱり高校サッカーのときとかは、結構お客さんが見に来てくれてたんで……。大学サッカーはあんまり盛り上がってないんだなぁっていうのが、1年目の実感ですね(笑)。
 それ以外では1年生のときに盛田くん(剛平・駒澤大出身・現浦和レッズ)とか、結構でかい人がいたんで。そのとき自分はまだヒョロヒョロだったし、「ゴッツイなあ」とか(笑)。その程度ですかね。


――大学サッカーで一番印象に残ってるFWは?

 やっぱり盛田さんですかね。あとは川口信男(順天堂大出身・現ジュビロ磐田)さんと和多田さん(充寿・筑波大出身・現ヴィッセル神戸)(笑)。

――今名前を挙げた3人は、それぞれ「高い・速い・パワー」と特色が分かれていますが、吉川選手がもっとも得意とする、あるいはもっとも苦手とするタイプは?

 盛田さんとか高い人は、比較的空中戦勝負みたいなところがありますよね。そういう点では、自分にも負けられないという意地みたいなものがあるんで、イヤなFWという感じではないんです。でもやっぱり裏に速いFW――足が速いんじゃなく裏に速いとか、イヤなスペースに入ってくるとか、考えてポジションを取ってくるFWはイヤですね。
 戸田さんとは紅白戦でたまに対戦してましたけど、あんだけ動かれたらちょっとイヤですよ。やっぱり、1年目〜3年目の戸田さんと4年目の戸田さんは全然違ってて、「考えて動いてるなぁ」というのを実感しましたね。確かにオフサイドも多かったけど、それもあの人のタイミングというか……、出す側のタイミングが遅いところもあったと思う。だから、いいタイミングを持ってるなっていうのはすごく感じました。

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