――ここ数試合は怪我のために欠場していましたが怪我の具合はいかがですか? どこを怪我したんでしょう。
内側の半月板と側副靱帯の両方を痛めちゃいまして。
――それは練習中の怪我ですか。それとも古傷?
高校3年生の、最後の選手権に出たときに靱帯をやっちゃったんです。それは治ってたはずなんですけど、夏からの疲れや負荷がかかってたのかな。今年はいろんなことが、いっぱいあったんで……。
――今年は監督も変わって、ある意味では大変な時期にキャプテンを引き受けたことになりますが……。
でも、キャプテンになったときにはまさか本当に監督が変わるとは思ってなかったんですけどね(笑)。
――キャプテンは推薦ですか? それとも立候補?
推薦もあったけど、自分でやらなきゃだめかなっていうのがありまして。それに、入れ替え戦で負けたとき、去年のキャプテン(岡村庄太・現藤枝市役所)がキャプテンマークをくれたんですよ。そういうのもあって、自分がもっと前に出てやんなきゃなっていうのはすごく感じてました。
でも今年の4年生はみんな役割がはっきりしてるし、すごく仕事をしてくれるんです。だから自分はグラウンドの中でまとめていくだけでいいんで、本当に助かってます。
――キャプテンとして、試合中に心がけていることはありますか? 去年もそうでしたが、このチームはとても若いので、気をつけることも多いと思うんですが。
そうですね。だから、なるべく後ろから声を出すようにはしています。やっぱり、去年よりもずっとムードが悪くなるような場面があるんでね。どんどん声を出して怒ってはいるんですけど、なかなか難しい。全員がその気にならないとダメだし……。
――監督が山下前監督から梶野監督に変わるという状況の中で、キャプテンとしてどうチームをまとめていこうと思ったんでしょう。
とりあえず去年出ていたメンツも若いんで、今年も4年生がひっぱろうと。ウチはみんなおとなしいほうなんで、練習のときからの雰囲気作りには気を遣いました。
――それは、モチベーション作りや集中力ということですか?
はい。正直いって、下のヤツらも監督が変わって気が緩んだ部分もあったと思うんですよ。山下監督のときの厳しさは、ある意味ではチームの規律となってましたし。その辺でひきしまっていた部分もあったと思うんだけど、今年はちょっとあやふやなところがあったんで……。そのあたりの雰囲気作りが大変でしたね。
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2000年関東大学サッカーリーグ
東京農業大学
金子憲一選手(4年・主将)
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ある意味、東農大は不思議なチームだ。ここ数年は「都県リーグとの入替戦」か「1部チームとの入替戦」に出るという、両極端な成績であることが多い。一昨年は都県代表チームとの死闘を演じて関東リーグに残留したかと思えば、昨年は圧倒的な勢いで2部優勝――。そして今年のリーグでは一転、自分たちのサッカーを見いだせずに苦しみ続けた。一時は都県リーグとの入替戦も見えてくるという状況の中で、チームを踏みとどまらせたのはどんなことだったのか。めまぐるしい4年間を経て、主将の金子がチームに見出したのは……?
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Text&Photo:Reiko Iijima
2000年10月18日取材
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