関東大学リーグ2000 キャプテンインタビュー
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慶應義塾

戸塚 健 (4)



――プレッシャーにはもともと強かったんですか。それとも、慶應に入って鍛えられた?

 いや、強かったですよ。っていうか、たぶん決定力がある。最後の得点ができるっていうのは、たぶん一番の強みだから。それはなんか根拠がないわけじゃなくて、やっぱりいつも常にシュートを打っていたし、もともと勝負強いっていうのはあります。たまに、なんか何も考えていない状態になるときがあるんですよ、試合中に。

――それは意識が飛んでいる状態になっているけど、ちゃんとプレーしているっていうこと?

 そうそう。そういうときは、なぜか点を取るんですよ。たぶん、集中力が研ぎ澄まされた状態だと、自分は思っているんですけど(笑)。まあ、そんなのは年に1回あるかないかしかないんですけど。中学のときも高校のときもそういうときがあったんです。そういうときはなんの根拠もないのに、自分のところにパスを出せって要求しているんですよ、常に。それで高校のときには、それまでほとんど入れたこともないのに、ロスタイムにヘディングでゴールに飛び込んでたりとか(笑)。なんかよくわかんないんですけど。

――大学に入ってから、そういうゴールはありましたか。

 そうですね、とりあえずそれに近い状態になっていたのが、……えーと、両方とも東農大戦なんです。1年生のときの最終節の東農大戦、7−1になった試合とかはもう後半入るときから、そういう状況まで緊張感を持ってやってたっていうのがあって。あと、去年の入替戦も、後半になってけっこうピンチが続いてたじゃないですか。東農のシュートがゴールポストに当たったりして。でも、僕は全然心配してないっていうか、全然慌てる様子がなくて、なんか(主務の)三宅(暢)さんとかがピッチの外でヒヤヒヤしてるのがコーナーキックのときに見えたんだけど、僕はなぜかわかんないけど(笑)、根拠もないのに「ああ、大丈夫だよ」って言ってて(笑)。そうしたら、その3分後ぐらいに点を取ってたんですよ。

――あの同点ゴールは、そういった状況のなかで生まれたんですね(笑)。さて、リーグ戦で目指すのはインカレ出場権獲得ですが。

 インカレ、出たいですね。インカレに出て一発勝負になったら、やっぱり一戦一戦大事に戦っていける部分で、うちらにも分があると思ってるんで。ホント、長いリーグ戦ですけど、安定した力を発揮して、……たぶん僕たちのチームっていうのは勝ち星勘定できることもなければ、かといってどこかのチームには絶対勝てないっていうようなものでもないんですよね。だからそんななかで一戦一戦大事にしていけば、インカレは見えてくると思います。
戸塚1999年入替戦
1999年関東大学サッカーリーグ入替戦


去年の入替戦
僕は根拠もないのに
「大丈夫だよ」って(笑)



戸塚プレゼント用チェキ  慶應が常に目標に掲げる“日本一”。学生主体の体制を続ける慶應にとって、インカレでの“日本一”達成は、彼らが力を合わせて作り上げたサッカーが大学チャンピオンにふさわしいものであることを証明する、何にも代え難い栄冠になるだろう。「これはあまり見られたくなかったんだけど」と戸塚が言った、彼自身が紙に書いて合宿所の自室の壁に張った“己に克つ”の文字。「なぜ、それほどまでに」と見ている者が思ってしまうほどの情熱を傾けて臨んだ戸塚の大学サッカー生活が終わるとき、彼がこのうえない満足感を抱いて自分が率いたチームを思い返し、その紙をはがすことを期待したい。

(この回了)


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