関東大学リーグ2000 キャプテンインタビュー
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慶應義塾

戸塚 健 (3)



――早慶戦は慶應と早稲田にとって特別なものですよね。国立競技場でプレーできるということも含めて、いかがでしたか。

 もう慶應に入ったからには、「早稲田に負けちゃいけない」っていう思いだけですね。なんて言葉にしたらいいかわかんないですけど、……恵まれてるなって思いますよ、常にそれは。国立(競技場)でできるっていうこともそうだし、このソッカー部にいてサッカーをやらせてもらってるっていうことはスゴイ、OBに対してもそうだし、親に対してもそうだし。……最近はスゴイ恵まれてることに気付いたというか(笑)。自分がこういうふうに一番思ったのは、やっぱり主将っていう立場に立ったときに改めて慶應のOBのかたともつながりを持つようになったし、こうやって4年間、大学までサッカーをやらせてくれたこととかもいろいろ考えて、……なんか早慶戦の主将の言葉とかを考えてるときに、ふと思いましたね。

――入替戦についてはどうですか。1年生のときの入替戦は、残念ながら出場できませんでしたが。

 やっぱり1部から2部への降格がかかった入替戦は、決していい思いはしないし(苦笑)。たぶん一歩消極的になったら、逃げ出したい気持ちにはなると思うんですよ。でもそこで消極的になったら、絶対相手にもってかれるっていう雰囲気は常にある。だから、そこでもう一回踏張って、……もう一回自信を取り戻して、……そうですね、ホントに別に何かにすがるわけじゃないですけど、自分たちだけを信じてやるしかないっていう。(壁に貼ってある慶應の小旗を指差して)ちょうどその旗が、去年の入替戦のときにみんなが僕への言葉を書いて、僕が付けて試合に出たものなんです。

――戸塚さんは「俺がなんとかする」って書いて、本当になんとかしましたね(笑)。こういうふうにみんなの気持ちを集めるところが慶應っぽい気もしますけど。

 ……なんかまあ、熱いっすよ、とにかく、みんな。他のチームだったらたぶん、バ カと思われる、バカかと思ってやらないことかもしれないけど。ホント、……バカに なれるっていうか。
戸塚2000年早慶戦
2000年早慶サッカー定期戦


もう一回自信を取り戻して
自分たちだけを信じて
やるしかない


戸塚2000年デンソー
2000年デンソーチャレンジサッカー


僕は
楽しんでやっちゃうと
ダメみたいですね


――こんな質問はまだ気が早いんですけど、現時点で大学での試合で一番嬉しかった試合は?

 ………どれか1試合というと、……あんまりないですねえ。やっぱり試合の重みが重いほど、嬉しいことは嬉しいし。だから、1年生のときの(入替戦出場を決めた最終節の)東農大戦もそうですし、まあ出てなかったですけど、その(1年生のときの)入替戦もスゴイ嬉しかった。早慶戦に勝ったときもそうですし、あと、昨年降格を回避したときもそうだし。まあ、1年のなかで自分がベストだって思えるのは何試合もないんで、自分の力を出せて、しかもそれが重要な試合だったりしたときは嬉しいです。……あんまり勝ち星が少ないんで(笑)、勝った試合は嬉しいですからね。去年のリーグ戦の初戦(順天堂大に2−0で勝利)とかもそうですし。

――逆に、一番悔しいと思った試合は?

 ……今年の早慶戦(1−1の引き分け)がやっぱり一番悔しかったっていえば一番悔しかった。自分がベストでプレーできてないにも関わらず、無理を言って試合に出て、……案の定結果を残せなかったっていうか、100パーセントプレーできなかったことが一番悔いに残るんですけど。あとは、どんな試合であれ勝たなきゃいけない試合だったっていうのも事実だし。

――関東選抜に選ばれてプレーしたことでの収穫にはどんなものがありますか。

 いままでもずっと、大学だけじゃなくて高校・中学とかもそうですけど、そういう選抜に入ったり落ちたりとかいろいろ繰り返して、選ばれたときにその高いレベルに入ってうまくなるっていうのもそうだし、そのあと落ちたあとにまたもう一回うまくなれるっていうか、そういうのってやっぱり刺激はすごくあるんで。そこが一番伸びる時期だっていうのが自分もわかってるから、落ちたら悔しくて一番練習したし、入ったときはレベルが高いなかでやれたっていう意味でね。そういう刺激を繰り返していってうまくなるもんだと思ってるから、そういった意味ではスゴイ自分のレベルアップにつながったと思う。でも、大学ではあんまり調子は良くなかったんですけど、常に(笑)。
――なぜ、よくなかったんでしょう?

 なんか、楽しんでやっちゃうとダメみたいですね、僕は、いまとなっては(笑)。慶應で「自分がやらなきゃ」っていう責任感に追われているなかで頑張ってるのに慣れてるせいで。関東選抜にいくと、周りに(中村)直志とかマーシ(宮沢正史)とかみんないて、誰でもやれるだけの実力があるじゃないですか。だからまあ、「その駒の1枚で活躍してればいいかな」って思った時点でたぶん、……ダメだったんですよ(笑)。

――むしろ、ある程度自分にプレッシャーがかかっている状態のほうが、いいプレー ができる?

 そうですね(笑)、ホントに。チャンスに強いというか、いざっていうときに頼りになれる人になりたいです(笑)。

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