
――本多選手は、東京学芸大の2部時代と1部の両方を経験していますよね。ある意味で学芸大の一番辛かった時期も知っているわけですが、そういう時代も含めて学芸大がここ数年で飛躍手に伸びた理由はどんなところにあると思いますか。

よく「なんで強くなったんだ」って聞かれるんですけど、考えてもあんまり思いつかないんですよ(笑)。やっていることは基本的には変わらないと思います。

――本多選手個人としてはいかがですか?

1年生のときは、先輩にただついていくだけだったし、2年生のときは登内さん(将志・現横河電機)がいてすごい勉強になった。去年は1部にあがって自分自身でも「やらなきゃ」っていう気持ちになったんで、ちょっとずつですが成長してるんじゃないかなと思います。

――実際ピッチに立ってみて、1部と2部の違いはどんなところにあるんでしょう。

レベルが上のチームと対戦するとプレッシャー……プレスの速さが違うと思います。1部の中でやっていて、それが1番感じたことですね。あと2部のチームっていうのは結構粗いっていうか、だいたい走り回ってという印象があるんですけど、1部はしっかりとした戦術持って戦っているっていうのは感じました。

――去年のリーグ戦では、駒澤大戦のように負けてもいい展開の試合ができる一方、順大戦や筑波大戦の大敗になってしまうこともありましたよね。

それは監督にも言われました。今年のチームも、練習試合とかでたまにそういった面が出ちゃうんですよ。そこが精神的にまだ弱いところだと思うし。やっぱり、リーグ戦は7戦しかないわけですから、コンスタントに力を発揮できないと上位にはいけないと思います。特に今年は4年生が少なくて、1・2年が半分以上を占めてますから。そういった意味で、難しい部分もあると思います。

――本多選手にとって、昨年のリーグ7試合は長かったですか、短かったですか?

勝ってたんで、どちらかといえば短かったですね。自分の調子は後半のほうに上がってきたんですが、そこで終わっちゃったという感じで……。

――でも、その後にはインカレもありましたよね。

ただすぐ負けちゃったんで……。本当はもう1コ勝ちたかったですね。今年もう1コ上に行きたいです。
やっぱりチームとしては去年以上、3位以上を目指してやってるんで……。甘くはないだろうっていうのは自分たちとしてもわかっているんですが、1戦1戦しっかり、自分たちのサッカーができるように、高いモチベーションを持ってやっていきたいと思っています。
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2000年関東大学サッカーリーグ

東京学芸大学
本多進司選手(4年・主将)

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昨年のリーグで一番センセーショナルだった出来事といえば、間違いなく東京学芸大の躍進だろう。数年前までは、2部でも下位に甘んじることが多く、口さがない人間は「2部の門番」とあだなしたりもした。しかし、一昨年に2部優勝をはたしてて1部に昇格するや否や1部強豪チームと対等以上に渡り合い、見事3位という好成績を収めた。もはや、学芸大の昇格をフロックという人間はいない。だが、わずかな間にいったい何が学芸大を変えたのか? 2部下位時代から優勝と昇格を経て1部での活躍まで、めまぐるしい変化を遂げた学芸大の4年間を主将・本多進司が振り返る。
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Text&Photo:Reiko Iijima
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